ハードウェアのシリコンバレー深センを知ろう!
深圳日本人学校の春休みの初日にあたる3月16日(金)、深圳の発展を象徴する企業であるJENESIS社社長の藤岡さんに、小中学生を工場見学に招待していただきました。大型バスまでチャーターしていただきありがとうございました。
昨年、藤岡さんとお会いした際に、深圳に住む子供達に深圳だからこそできる教育、深圳だからできる経験をさせたいという話をしたところ、「ぜひ!」というお返事をいただいていました。せっかくお返事をいただいていたにも関わらず、その場で盛り上がって行動しない典型的な日本人のように、私が企画を動かさずにいたところ、藤岡さんの方から「子供向けのイベントをやりましょう!」と逆にお誘いいただきました。「深圳に住む子供達のために」という藤岡さんの情熱に、教育を専門とする私の方が背中を押される形で今回のイベントが実現することになりました。
藤岡さんからは、深圳のハードウェア産業の潮流とその渦中にあるJENESISではどんな製品を製造しているのかを子供達にも分かるようにレクチャーいただき、東京大学の伊藤先生からは中国の歴史から深圳の歴史、深圳で起こっているイノベーションについてレクチャーいただきました。
お二人のレクチャー中、子供達が真剣にメモをする姿は今回のイベントの中でも最も印象的なことでした。子供達の知識の欲求が自然とペンを動かしているようで、これこそが学びだという象徴的なシーンを垣間見ることができました。
日本から世界から注目を集めている自分たちの住む深圳を学ぶ機会に際し、子供達がこれほどまでに興味を示し、真剣に学べるものなのだと驚くばかりです。
伊藤先生のレクチャーの最後には、このイノベーションが巻き起こる世界で「きみたちには何が必要なのか」という問いかけがあり、「深圳はすごいな」で終わるのではなく、将来について考えるきっかけもいただきました。
工場をひとしきり見学したあとの質問コーナー。どんな疑問が飛び出すのかと思っていたところ、子供達がしつこく聞きたがったのが「検品作業」について。発注した部品が、そもそも注文通りの物なのか、不良品が混ざっていないのかを検査するその作業についてやたらとくらいついて質問をしていました。
深圳に住んでいるとは言え、日本社会に暮らす中で、注文した物が確実に届く、不良品などはないという、日本の当たり前の中で暮らす彼らにとって、「検品」が一種異様なことに感じられたようです。
日本の当たり前は、世界の当たり前とは限らないということ。これはグローバル社会で日本人が活躍する上で理解すべき非常に重要なことだと思います。そういった学びも含め、今回の工場見学は非常に非常に有意義な体験となりました。
非常にお忙しい中、このような機会を作ってくださった藤岡さん、伊藤先生、本当にありがとうございました!