香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

ハードウェアのシリコンバレー深センを知ろう!

深センで注目のJENESIS社を訪問!

 深圳日本人学校の春休みの初日にあたる3月16日(金)、深圳の発展を象徴する企業であるJENESIS社社長の藤岡さんに、小中学生を工場見学に招待していただきました。大型バスまでチャーターしていただきありがとうございました。
 昨年、藤岡さんとお会いした際に、深圳に住む子供達に深圳だからこそできる教育、深圳だからできる経験をさせたいという話をしたところ、「ぜひ!」というお返事をいただいていました。せっかくお返事をいただいていたにも関わらず、その場で盛り上がって行動しない典型的な日本人のように、私が企画を動かさずにいたところ、藤岡さんの方から「子供向けのイベントをやりましょう!」と逆にお誘いいただきました。「深圳に住む子供達のために」という藤岡さんの情熱に、教育を専門とする私の方が背中を押される形で今回のイベントが実現することになりました。


JENESIS社藤岡社長によるレクチャー

 藤岡さんからは、深圳のハードウェア産業の潮流とその渦中にあるJENESISではどんな製品を製造しているのかを子供達にも分かるようにレクチャーいただき、東京大学の伊藤先生からは中国の歴史から深圳の歴史、深圳で起こっているイノベーションについてレクチャーいただきました。
お二人のレクチャー中、子供達が真剣にメモをする姿は今回のイベントの中でも最も印象的なことでした。子供達の知識の欲求が自然とペンを動かしているようで、これこそが学びだという象徴的なシーンを垣間見ることができました。
 日本から世界から注目を集めている自分たちの住む深圳を学ぶ機会に際し、子供達がこれほどまでに興味を示し、真剣に学べるものなのだと驚くばかりです。
 伊藤先生のレクチャーの最後には、このイノベーションが巻き起こる世界で「きみたちには何が必要なのか」という問いかけがあり、「深圳はすごいな」で終わるのではなく、将来について考えるきっかけもいただきました。


東京大学伊藤先生によるレクチャー

 工場をひとしきり見学したあとの質問コーナー。どんな疑問が飛び出すのかと思っていたところ、子供達がしつこく聞きたがったのが「検品作業」について。発注した部品が、そもそも注文通りの物なのか、不良品が混ざっていないのかを検査するその作業についてやたらとくらいついて質問をしていました。
 深圳に住んでいるとは言え、日本社会に暮らす中で、注文した物が確実に届く、不良品などはないという、日本の当たり前の中で暮らす彼らにとって、「検品」が一種異様なことに感じられたようです。
日本の当たり前は、世界の当たり前とは限らないということ。これはグローバル社会で日本人が活躍する上で理解すべき非常に重要なことだと思います。そういった学びも含め、今回の工場見学は非常に非常に有意義な体験となりました。
 非常にお忙しい中、このような機会を作ってくださった藤岡さん、伊藤先生、本当にありがとうございました!


JENESIS社の製品

JENESIS社工場内


クリスマス3Dペンワークショップ 

3Dペンでクリスマスツリーを作成


香港、深センに拠点を置きSTEAM教育を提供している3D-InnoのYee Ping先生をお招きしてクリスマスツリーなどを作るワークショップを開催いたしました。
初めて扱う3Dペンに戸惑いつつもクリスマスツリー作りに挑戦しました。
予定していた2時間の間、休憩時間もいれませんでしたが、みなさん最後まで集中して作業をしただけではなく、予定時間が過ぎても雪の結晶やツリーにつける星などを作り続けて、ほっておいたら3時間でも4時間でも続けそうな勢いでした。
お迎えに来られたお母様方の「おかあさんたちお腹すいたよー」との懇願の末、作業が終了。みなさん満足の様子でした。
新しいテクノロジーを活用してのアートに若いうちから触れておくことは、子供達の想像力、美的センスを磨く上で非常に重要なことだと思います。
日本では絵画などの芸術、アートは習い事として人気はあまり高くありませんが、近年STEM教育にアートの「A」を加えたSTEAM教育も非常に注目されています。香港、中国で絵画教室はピアノ、バレエなどに続いてメジャーな習い事です。
会社の経営においても、ものづくりにおいても、芸術的センスがよい影響を与えると言われており、単にMBAを取得するのではなく、経営者になるためにアートを学ぶ人も増えてきているとのことです。
ものづくりから多くのことを学び取るSTEM教育、STEAM教育、Maker教育は、子供達の想像力や問題解決能力を伸ばす上でも非常に重要です。
中学入試、高校入試の「なんの役にたつの?」と思われがちですが、入試で重要なのは「賢さ」だけではなく、「興味をもつこと」、「試行錯誤すること」です。
子供達が自由な発想ができるうちに、その想像力を発揮できる場を与えてるという意味で、STEAM教育の一環である3Dペンのワークショップも非常に意味があると思います。
ドローン、3Dペンなど深センだからこそ触れやすいテクノロジーに、今後もどんどん触れていきたいと思います。またの機会をお楽しみに!


2時間も集中してすごい!!

英語と中国語で授業をしてくれたYeePing先生


クリスマスドローンレッスン開催

12月25日、ポーランド出身のFilip先生を招いてクリスマスのドローンレッスンを開催しました。
前回は広い公園での実施で遠くの景色を見渡す感じでしたが、今回は街中の公園ということで、普段私たちが暮らしているマンション、工事現場、学校、道路などを見下ろすことができました。
普段暮らしている街を上空から見下ろすだけでも非常に新鮮な経験でした。
今回は離陸、着陸、旋回などの基本操作が中心でしたが、安全に飛ばせるようになったら、写真、ビデオの空撮にもチャレンジしていきたいですね。
次回までには英語の方も磨いておいてくださいねー。



School Maker Faire ツアー

School Maker Faire の入口にはドローン。

Shenzhen American International School(SAIS)で開催された、School Maker Faire に数名の生徒たちと一緒に見学に行って来ました。
その名の通り、学校に通う子供たちの手作りの作品を展示するフェアです。
STEM教育を実践している学校、VRのプログラムを授業で行っている学校、LEGOのマインドストームでプログラミングを学ぶ学校など作品は多岐に渡ります。
桃苑実験学校では、LEGOのマインドストームでルービックキューブを完成させるロボット展示などがありました。どんな感じで授業をしているか見学させて欲しいと先生に聞いてみたところ、自分たちも始めたばかりで、正直よく分かっていないとのこと。まずはやってみようという意気込みは感じられました。
深圳南山国際学校では、VR専門の先生がいて、VR空間での読書、空間へ直接書き込むアートワークなど、先進的な取り組みも見られました。作品を紹介する生徒たちの誇らしげな様子が印象的でした。
しかし、やはり目を引くのはSAISのMakeの授業で作られている作品でした。STEM、PBL(Program Based Learning)を知らずに見ると子供たちが作った出来の良くない作品にしか見えないかも知れません。
そこには、何を作るのか、なぜ作るのか、作るための材料はどうするのかなど、作り上げるまでの全ての工程をトータルで教育に落とし込んでいるPBLの哲学があるからこそ、作品に大きな意味があります。
日本では、プログラミング教育が注目され、STEM教育もキーワードとして取り上げられるようになりました。
いずれの教育でも、何を教えるか、如何に教えるかが焦点になっていますかが、どのようにして子供たちが自ら学ぶ環境を作っていくかについて考える必要があります。
テクノロジーたけではなく、教育面でも深圳では進化し始めています。教育のイノベーションも楽しみです。


手作りのカート

ゴーグルをつけてVR空間に絵を描く。

ものづくりのワークショップ。


PETSワークショップ 深セン若葉こども学園


若葉こども学園にて、プログラム的思考を学べる学習キット「PETS」を使ったワークショップを開催しました。
PETSは、木製の箱型の車輪のついたロボットで、プログラム言語を使う代わりに、PETSの穴に行動の順序を支持するためのブロックを差し込んで、動作を制御します。
2020年からはじまる「プログラム教育」ですが、その狙いの一つは、「プログラム的思考」を伸ばすことにあります。
プログラム的思考では「順序立てて考える力」が重要です。
現役のプログラマーに話しを聞いても、幼稚園、小学生のうちにプログラム言語を「学ぶ」必要はなく、興味をもって使って見たいと思った子供にはプログラム言語を与えたら良いといいます。
その前段階として、PETSの様にプログラム的思考を学ぶツールや、Viscuitのプログラム的思考学べるアプリ、スクラッチの様にブロックを組みわせる形でプログラムする方法があります。
各学年において、ツールを使い分ける必要がありますが、PETSは幼稚園生、小学校低学年生のプログラム的思考を学習するツールとして非常に有効です。
Wifiやパソコンとの接続もいらないので、箱から出したらすぐに遊べる(学べる)点でも、その学年にとっては利点があります。


それにしても、PETSには想定されている遊び方がありますが、子供達はすぐにそのルールを超えた面白い遊び方を発見します。
そこで、子供達に「PETSはこうやって使うんだよ」と想定された遊び方だけに限定してしまうのは、子供達の想像力の潰すことになりかねないので、低学年ほど気をつけてツールを与える必要があります。
プログラミング教育だけではなく、すべての学びにおいて子供の「好奇心」こそが最大の原動力です。
このワークショップを通じて、「プログラミングって面白い!」と思ってくれた子供が一人でもいたのであれば大成功だと思います。
若葉こども学園に、また遊びに行きますね!!