香港学習塾 epis Education Centre

わかば深圳教室 教室長ブログ

教室長末木千尋

2011年12月に香港へ赴任。旧九龍教室、わかば深圳教室とで合計6年間勤務をし、2017年から再び深圳へ。きめ細やかなサポートには定評があり、時間が経つのも忘れついつい話し込んでしまうことも。本気で立ち向かう生徒の守護神として頼れるアネゴ的存在であるスエキチ先生は、衣食住どれをとっても刺激の絶えないここ深圳での生活がお気に入り。暑さには弱いが辛さには強い。好物は山椒のたっぷり入った激辛料理全般だとか。

ハンディーファンプログラミング&はんだ付けワークショップ

はんだ付けをしたことがない子がほとんど。


前回まではお掃除ロボットをプログラミングするワークショップを開催してきましたが、今回は暑すぎる夏の必須アイテムハンディーファンの基盤を半田付けしてプログラミングしてしまおうということでハンディーファンハックに挑戦しました。講師は今回も日本から来ていただいたOPENFORCEの河野先生。何回か参加している子供達からは「博士」と呼ばれている河野先生。今回も胸元にファンをつけた白衣姿で見た目だけでも子供達を喜ばせてくれます。


1時間もするとはんだ付けもプロ級

なぜか参加者は女子ばかり。ハンディファンはやはり女子アイテムなのか?深圳で女子が半田付けをしている姿はものづくりの新時代の到来を感じさせてくれます!
まずははんだ付けの練習をかねて河野博士の特製のPro Micro(Aruduino)とモータードライバをのせた基板に抵抗、LEDテープ(NeoPixel)を接続して、Ardublockでプログラミングします。LED1つを点灯させるところからスタートして全体を光らせたり、色を変えたりできるようにしました。


Pro Micro(Aruduino)でLEDを光らせる

LEDの点灯ができたところで、次はモーターの制御をします。今回はモーターをボタンスイッチで制御するのではなく、ファンに息を吹きかけファンを回転させることによりモーターを起動します。モーターの回転数(風力)は、その時の息の強さ(モーターの回転数)によって決まるように設定しました。

息を吹きかけるとファンが回り始めること、息の強さで回転数が変わるので、子供達は何度も何度も息を吹きかけて試していました(遊んだ?)。


Ardublockでプログラミング

このプログラミングを終えて基板をハンディーファンの中に収納して完成!
なのですが、基板を収める時にケーブルの長さを考慮せずに触っているとはんだ付けした部分が外れてしまうこと、最後にカバーを無理やり装着することでどこかのケーブルが外れてしまうことなど、初めて分解、ハックした子供達には想定できない難関が待っており、最後の最後は河野博士修理センターがフル稼働するという大変な事態を乗り越えてのワークショップ終了となりました。


カバーを付け直せば完成!だけど・・・。

今回は身近にある機械を分解してプログラミングすることで今までブラックボックスだった物が制御可能、改造可能であることや、深圳では河野博士が作ってくれたよう特注の基板も短時間ではるかに安い価格で作ることができることも実体験として知ることができました。

温度による制御、音による制御も可能ということで、次回のワークショップも楽しみです!河野博士また次回もよろしくお願いします!


お掃除ロボットプログラミング&電子工作&華強北電気街探検!

華強北のメイカースペースSEGMAKERでのワークショップ

前回に引き続き日本からいらっしゃったOPENFOECEの河野先生との共同開催ということで、お掃除ロボットのプログラミングと電子工作そして深圳の迷宮のような巨大電気部品市場華強北での部品調達に挑戦しました。

前回は深セン市華強北のコワーキングスペースでの開催でしたが、今回は同じ華強北でも会場を変えてSEGMAKERというメイカースペースでお掃除ロボットのプログラミング(衝突センサーと車輪の制御)とArduinoを使った電子工作を学習しました。


河野博士も子供達も楽しそう


プログラミングしたお掃除ロボットを追いかける


今回のお掃除ロボットのプログラミングでは、前回より複雑なセンサーも使ったプログラミングに挑戦し、分解して走ることしかできなくなったお掃除ロボットが少しずつ元のお掃除ロボットの姿に戻っていきます。

と言っても掃除をさせるようなプログラムはしておらず、今回は衝突センサーをプログラムに組み込んで、衝突しても方向を変えて走り続けられるようにするところまでプログラミングしました。


華強北の電気市場で部品調達。こんなちびっこは見かけないので、目立つ存在。

今回の課題のプログラミングを終えた後は、子供達がなぜか楽しみにしていた電気街への買出しです。Arduino、ケーブル、LED、ブザー、抵抗、光センサー、ブレッドボードなど今回作る電子回路に必要な部品を買いに行きます。

12階にあるメイカースペースからエスカレーターでぐるぐる回りながら、何に使うのかわからないような部品を見ながらひたすら下の階を目指します。

大人が見ても謎ばかりの電子部品だらけのビルを子供たちはキャッキャしながら、突き進んでいく姿なちょっと不思議な印象を受けました。何が楽しいんだろう???初めての非日常的な空間にワクワクしていたのかもしれません。(こういう時に行き先もわからないのに先に進む子供達の心理って何なんでしょう?)子供の行動は謎だらけです。


部品をみてはしゃぐ子供達。子供の好奇心はすごい!

こんなところで迷子になったら大変なので、目を離さないように子供達を追いかけつつ、お店に到着。あらかじめお店の人には子供達が買い物に来ることを伝えておき、普通は100個単位、1000個単位ではないと売ってくれない部品を特別に1つ1つ売ってもらいました。


ArduinoでLEDを制御中。

ここでもどのように使うのかもわからない部品を買い集めて大喜びする子供達。買い物を楽しんだ後はまたグルグルと回りながらエスカレーターで会場に戻って電子回路とプログラミングに挑戦。前回はArduinoでLEDを点灯させただけですが、今回はボタンスイッチや光センサーなども組み込みました。

子供たちはお掃除ロボットを分解しプログラミングし直すことからブラックボックスだったお掃除ロボットの大枠を理解し、部品を市場で買い集め回路を組み上げてプログラミングすることを通して基盤をプログラミングすることで、市場で売られている部品がロボットの中身を構成していることを学ぶことができたと思います。

今回参加した子供達は、深圳でのモノづくりを体験することができました。彼らが未来のクリエイター、イノベーターの道を歩み始めたのかと思うとワクワクします!


グルガオン教室名古屋合宿で得られたもの

一夜かぎりの花火でリラックス。

かけがえのない時間となった7日間

名古屋市にて6月7日から6月14日の7日間、インドのグルガオン教室の中3生を対象に合宿が開催され、グルガオンの水元教室長とともに、深セン教室からは渡辺が参加となりました。

合宿初日に生徒一人一人に抱負を述べてもらったところ、生徒たちにとっては長時間学習する不安よりも、生活面に対する不安の方が大きかったようで、自分で起床したり、自分で衣服を洗濯したりすることの方が心配だったようです。

在外邦人子女は、限定された社会・生活環境で生活しているため、自立した生活力があるとは言い難く、どうしても過保護になりがちです。普段は親御さんに起こされている生徒たちも、合宿中は集合時間に寝坊して遅刻したり、授業中に居眠りしてしまったりしながら、睡眠時間がどの程度必要なのかを改めて体感して学んでいったようです。水元先生が頭ごなしに説教するのではなく、じっくり見守ってくれているからこそ、生徒たちは失敗を許され、自分自身で成長する機会を得られたのだと思います。

本当の学びとは

いかに効率よく情報を吸収し、スキルを習得するかというスピード社会において、生徒・子供達に対する知識は供給過多になりがちで、子供の意志とは関係なく、矢継ぎ早に課題・タスクが与えられます。子供達は何も考えなくても、大人の与える課題を効率よくこなせば成績が上がり、偏差値の高い大学に入ることができます。

逆に「どうして勉強するの?」と立ち止まってみたり、「どうしてそうなるの?」と数学で悩んでみたりすると非効率で時間がかかり成績が上がらず、「いいから覚えればいいんだよ」と興味や疑問とは無関係に機械的に覚えてしまった生徒の方が成績を上げるケースもあります。

そんなスピード社会において大人に必要なことは「待つ」忍耐力で、子供に考えさせる余裕を持ち、選択をさせ、少し遠回りをしながらも、自分自身で歩ませてこそ「非認知能力(いわゆるやる気、自信など)」を育むことができます。

非認知能力論者のポジショントークにおいては、「認知能力(いわゆる学力、語学力など)」の習得が否定(日本は受験勉強ばっかりやりすぎでしょと)されることもしばしばですが、何かを極める、手に職をつける、専門家として生きていくためには専門的な知識が必要で、それはまさに認知能力が必要になってくるわけです。

認知能力を高めるためには、一定の訓練が必要で、それが勉強であったり、筋トレであったりするのですが、非認知能力(やる気)を高めずに認知能力(学力)を高めようとするから、そこに歪みが生まれるだけなので、認知能力の向上を否定するのは筋違いと言うほかありません。もちろんやる気を無視した詰め込み教育には賛同できません。

合宿で得られたもの

グルガオン教室の水元教室長の生徒たちへの指導は、自分で行動させ、自分で気付かせ、自ら改善させていく、非認知能力の成長を重視した指導で、頭ごなしに叱るようなことはありません。生活を矯正するのではなく、生徒たちに自分の行動を省みる機会を与えつつ成長を見守ってくれました。

生活面の指導は水元先生がしっかりみてくれていたので、私は非認知能力と認知能力を高めることに集中できました。具体的に言えば「数学を楽しむ」ことと「数学のレベルアップ」でした。

1日に3〜5時間もの数学の授業を贅沢に設定していたので、生徒が「どんだけ出てくんの!」と毎日お腹いっぱいになるまで数学の楽しさを堪能してもらいました。数学を学ぶことは認知能力の習得以外の何物でもありませんが、「おもしろい!」「すごい!」と積極的な姿勢で生徒たちが学習してくれたので、合宿スタート当初は「どんだけ数学の勉強するんだよ・・・」と思っていたであろう生徒たちも「もっと知りたい!」「もっと解けるようになりたい!」という前のめりな姿勢になっていました。それはもう「受験」のためにやらなければならない義務的な勉強ではなく、頭を使った高度なパズルゲームをやっているような状態です。

今回合宿に参加した生徒たちは、各教科の学力を上げたことは言うまでもありませんが、それ以外にも大きな学びがありました。それは、合宿生活を通じて学んだ自立心、合宿だからこそ贅沢に設定できた数学の授業から得られた学ぶ楽しみです。
きっとこの7日間に得られた経験がみんなの自信になってくれると思います。
今回の合宿での生徒たちの成長を目の当たりにできたことと、楽しく数学の授業をできたことで、一番楽しませてもらったのは私自信かもしれません。

グルガオンのみんなありがとう!


makebolockのHaloCodeのプログラミングにも挑戦しました。


深セン華強北でお掃除ロボットプログラミング!

お掃除ロボットを分解して基盤にプログラムをアップロード!

深センのイノベーションの震源地である福田区にある超巨大電気街「華強北」のコワーキングスペースで、お掃除ロボットを分解、再プログラミングしてロボットカーにしてしまおうという、「お掃除ロボットHack」イベントが開催され、epis深圳教室の生徒たちと一緒に参加してきました。


深セン市華強北のコワーキングスペース。ここからアイディア商品が誕生する。

お掃除ロボットをプログラミングするウォーミングアップとして、Arduino(アルデュイーノ )という、学生がコンピューターサイエンスを学習するために開発されたマイコンボードを使ってLEDを点灯させることから始めました。プログラムはビジュアルプログラミング言語でブロックを組み立てます。


Arduinoをブロックでプログラミング。

今回プログラミグをしたお掃除ロボットには、Arduinoのような基盤が使われているので、
LEDを点灯させるのと同じ要領でプログラミングをすれば、お掃除ロボットをプログラミングすることができます。
子供達には先生からお掃除ロボット制御のお題が与えられ、課題をクリアすべく一人一人がプログラミング に挑戦しました。
まずは、お掃除ロボットの右側の車輪(モーター)を回転させることからはじめ、その後、前進、右回転など少しずつ課題をクリアするためにプログラミング をしました。


様々なハプニングが起こることこそが醍醐味!?

プログラミングが正しくても、右の車輪と左の車輪が同じように回転しなかったり、床が平らではないためにまっすぐ進んでくれなかったりすることもあるなど、ハードウェアを制御することはプログラミング正しくても上手くいかないことも学びました。

今回はモーターを制御しコースを走らせたところで終了となりましたが、次回6月にはお掃除ロボットが搭載している各種センサー類も使ってのプログラミングということで次回も楽しみです!



HaloCodeでプログラミング×STEM スマートホームインテリア

HaloCodeで作った生徒たちの作品

 春期講習の6SRの授業では、わかば深セン教室のある深セン市に本社を置くMakeblockの新製品HaloCodeを使ってプログラミング(STEM、創客)の授業を実施しました。MakeblockはmBotというプログラミング可能な製品で有名になり、北米、ヨーロッパや香港の多くの学校で使われている製品を開発生産しています。
 わかば深セン教室は、そのMakeblock社のある深セン市にありますので、同社との付き合いも深く、今回はまだ日本では発売されていないHaloCodeというプログラミン学習用マイコンボードをお借りしてプログラミングの授業を実施することができました。日本ではまだ発売されていないので、HaloCodeを使った授業は日本初かもしれません!?深センではプログラミン用の教材を開発している企業も多数ありますので、このような機会が得られるのも深センだからできることです。
 今回はこれまでに発売されているmicro:bitやArduinoなどのプログラミング学習用マイコンボードには搭載されていない機能を使った学びをしてみたいと思い、音声(音量)に反応してLEDが色を変化させながら光るインテリア作りをしました。
スマートフォンやスマートスピーカーと照明が連動して部屋のムードを変えるシステムが最新のIoT家電、スマートホーム家電としてショールームなどで見かけるようになってきましたが、まさにそのようなイメージで、部屋で普通に話しているとインテリアが音声に反応して光り方を変えるというものです。


STEMにアートを加えたSTEAMの感覚も重要

 わかば深セン教室のプログラミング学習は、単にプログラミング言語を学ぶだけではなく、深セン市が推進する創客教育(深セン版STEM教育)を実践するものです。創客教育には、「プログラミング×テクノロジー×想像力」で、想像力や問題解決能力を高めようという狙いが込められています。
 AIを含めたテクノロジーの進化の過程で、今まで実現できなかった問題の解決、新しいサービスの開発が可能な世の中において、子供達はプログラミング言語を学ぶのと同時にそれを生かした製品、サービスを生み出す想像力を磨いていく必要があります。それが深圳の創客教育です。
 今回の授業でも「完成形」を見せて組み立てるだけの工作ではなく、基本のコードと製作用の基本的な材料を与えて、自由にコードを組み替え、自由に作品を完成させるように授業を進めました。
創客教育において重要なことは完成度の高さではなく、いかに生徒自身が自ら考え、テクノロジーを活用し問題を解決しようとしたかどうかです。
 今回の授業でも私たち大人が考えもつかない形で作品を作り出してくれました。次回の授業がまた楽しみになってきました。


※動画ではかなりギラギラ光っていますが、実物はもっとキラキラと綺麗に光っています。