読書のすゝめ『三国志』
今日はお勧めの本を紹介します。「三国志」です。
私が初めて読んだのは中学生の時でした。
中学生の時は、実は「趙雲かっこいい!!」「張飛つえええ!!」という単純に英雄達の生き様に憧れるだけした。
しかし、今あらためて読んでみると、新しい発見だらけです。
100万の青州黄巾賊が曹操の領地に攻めて来た時、対する曹操の兵力はたったの3万。
山形県の人口が約100万人ですから、全山形県民が攻めてくるのを、3万人でくい止める。くい止めるだけでなく打ち負かすわけです。人口3万人といったらコンビニもあるかないかの小さな村の村人を全員集結させた感じです。
絶対勝てないです!!
しかし、ここで曹操は人生を賭けて知力を振り絞って勝負をかけます。
実際にこの勝負に勝った曹操は、その後、官渡の戦いでも袁紹を下し、己の覇業を突き進んでいくことになります。
このような戦の判断もそうですが、部下の使い方、統治の方法など次々に究極の決断を迫られるのですが、曹操はズバズバと決断し、実行していきます。
その判断一つ一つを自分の身の回りで起こることに置き換えると、自分が決断を迫られる時に、曹操ならどう考えるのか、劉備ならどう考えるのかと考えてみると考えやすくなることもあります。
それから、お勧めしたい理由がまだあります。それは、「親子の話題」になるからです。
どの武将が好き?どのシーンが好き?などと話し始めるときりがありません。
読書はもちろん一人でも楽しめるのですが、同じ本を読んでいる人と意見を交わせると、その楽しさは何倍にも膨れ上がります。
そこで読書の楽しみを子供が感じてくれたら、しめたものです。
本を読まない子供は単純に楽しみを知らないのです。
お勧めしたい理由はまだまだあります。
海外に住んでいると非常に難しいことがあります。
それは、身近な歴史に触れる事です。
私は山形出身なので、上杉鷹山を身近な歴史人物として思い浮かべます。
上杉鷹山は元アメリカ大統領のJ・F・ケネディ、ビル・クリントンが尊敬する人物とも言われており、中学・高校時代に学校の先生も鷹山の政治手法を例えにして様々な話しをしてくれました。
そんな話を聞いた後で、実際に米沢の上杉神社に行くことができ、生の歴史に触れることができます。それは地元山形だからこそできることで、他府県の人が鷹山の話を聞いてもその感動の大きさが変わってくると思います。
ここは中国です。せっかくなので中国の歴史に触れ、その生の歴史に触れることは意義のあることだと思います。
深圳でも香港でも「関公」を祀っている家、お店をよく見かけます。
小さな仏壇のようないれもの中に赤っぽい強そうなおじさんがいたら、それは関公すなわち関羽です。
三国志に登場する関羽がこの現代においても民間信仰として受け継がれているのです。
本で活躍していた関羽が現代においても、身近なところで息づいていることを実感できたとき、それが初めて歴史に触れた瞬間なのではないかと思います。これは非常に大きな経験です。
三国志の世界とは縁があまりない深圳ですが、南山区の南頭という地区に関帝廟(関羽を祀った廟)があります。
なんとなく関帝廟を訪れるのではなく、三国志を読んでからこの関帝廟を訪れてみてください。せっかく中国にいるのですから!