星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。
昨晩、夜空を見上げてみるとひときわ明るく輝く星が2つ。
珍しく金星と木星が並んで輝いていました。
ひときわ輝くというよりも深圳では、その2つだけが見えて他の星はほとんど見えませんでした。
金星は内惑星(地球の内側を回る惑星)なので、夕方か明け方の空に、まだ明るさの残る時間帯に見ることができるのですが、昨日は、金星が東方最大離角の位置にあり、太陽から最も離れて見える日で、暗い夜空に金星が輝いていたので、ぱっと見た時は飛行機の光かと思うほどの輝きを放っていました。
東方最大離角という位置にあるのは6月7日だけですが、しばらくの間は金星が見やすいので、夜空を見上げてみてください。すぐに見つかるはずです。天体望遠鏡をお持ちの場合は、ぜひ望遠鏡でも見てみてください。ちょうど金星が月で言うなら半月のような形 に見えます。
ちなみに、6月20日(土)20時頃には月、金星、木星が近い位置に見られます。日本ではこの日に天文イベントもあるようです。香港のアベニュー・オブ・スターズには良く天文ファンが集まって、望遠鏡で月や惑星を観察しています。この日も行ってみるといいかもしれません。
さて、清少納言の枕草子にも金星が登場しています。
星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。
すばる=プレアデス星団、ひこぼし=アルタイル、ゆうづつ=金星、よばひ星=流れ星
それにしても、すばるを選ぶところがなんとも憎いところです。
街の明かりのせいで、ボヤッとした星の集まりにしか見えない“すばる”ですが、平安の夜空での存在感はもっと違っていたのかもしれません。
通常は5、6個の星の集まりにしか見えませんが、双眼鏡を使えばすぐに10個以上、ガリレオは30個以上数えたのだとか。
金星を見て、平安の夜空を思ってみるのも、すこしをかし?