中3夏期特訓2日目 殻を打ち破った瞬間
中3特訓期間の目玉の1つでもある面接・作文指導。
この5日間では、そのスキルを向上させるだけではなく、テーマについて考えるときに、自己と向き合うことで精神的な成長することも期待しています。
今日は昨日に引き続き、「中学校生活で一番印象に残ったこと」をスピーチ形式で自己表現する練習をしました。
昨日の練習では、 どんなに内容が良くても、丸暗記の棒読みでは何も伝わらないこと、同じ事実を伝えていても、言葉の選び方によっては、全く印象が変わってしまうことなどを学びました。
朝8時半から夜の9時半まではepisにいるので、教科の学習以外にスピーチの練習や原稿を推敲する時間は取りにくいだろうと思っていましたが、みなさん昨日の反省を生かして、それぞれがしっかり改善してきました。
もともと良く出来ていた原稿でさえも、より個性的な内容にするため、全面的に書き換えてくる生徒もおり、そのチャレンジ精神には脱帽するばかりです。
そんな、みんなの努力を一蹴するかのように、今日誰よりも輝いたのはS。人前で話すと急に萎縮して、表情もこわばり、いつもの持ち前の明るさを表現することができない。
この特訓期間だから特別に緊張しているのかと思って聞いてみると、学校でも人前に立つのが非常に苦手だとのこと。
今日のSのスピーチの順番は一番最後。
自分の出番を前に続々と発表を終える生徒たちは、それぞれが昨日の反省を生かし、目に見えて進歩していました。果敢にチャレンジする生徒もいました。どんどん高まるプレッシャーの中、何を思っていたのでしょう。
そして、迎えた出番。
なんとSは、 これまで考えて来た原稿を思い切って全て破棄して、アドリブで語り出しました。内容をアドリブで話すだけでも大変だったでしょうが、同時に、勇気を振り絞って、震える体を隠しながらもいつもの明るくユーモア溢れる自分自信を思い切って、人前で表現しました。
この変貌ぶりに一番驚かされたのは私です。
実は、スピーチ練習の直前までSと私はマンツーマンで特訓をしていました。大きい声で自信を持って話す練習です。
正直、あまり成果は見られませんでした。本人もそう感じていたと思います。
しかし、本番では、私との特訓の内容もおかまいなし。思い切って自分らしさを全面にぶつけてきました。
Sが話始めた瞬間から、聞いていた生徒、講師一同全員が、その話に引き込まれ、同時に今まで破ることの出来なかった殻を打ち破る瞬間に立ち会うことができました。
本当に大きなチャレンジ。本当に大きな一歩を踏み出しました。
そして、自分自身に大きな自信を与えたのはもちろん、他の生徒たちにも一気に火がついた瞬間でもありました。
中3特訓2日目にしてこんなドラマがあるとは思いもよりませんでした。
人が自分を変える瞬間をこんなにもはっきりと見たことがありません。
今、中3生全員が相互に高め合い始めています。
残りの3日間でもどんなドラマが生まれるのか楽しみです。