各都道府県の公立高校に進学をする場合、地方自治体によって詳細が異なりますので、帰国予定の都道府県(場合によっては市町村)の規定をしっかり確認しておく必要があります。
一般的に言えば、帰国生の受け入れ実績が少ない地方自治体の場合、細かな規定が整っていない場合が多いと言えます。それ故に、出願資格を満たせばどの高校でも受験が可能な場合も少なくありません。一見、幅広く受け入れられるようにも受け取れますが、裏を返せば、帰国生に対する配慮や、入学後の受け入れ体制に不安が残ってしまいます。
一方で、帰国生の受け入れ実績が多い都道府県では、受け入れ校が指定されている場合も少なくありません。例えば、東京都では都立竹早・三田・国際・日野台の4校が〈特別選抜実施校〉として指定されています。この4校に関しては、国(作文含む)・数・英・面接で受験が可能になります。近県を見渡すと、千葉県では県立・市立高校合わせて20校、神奈川県では6校が帰国生の募集を実施しています。
愛知県では6校の愛知県立高校と名古屋市立高校が、大阪府では、15校の大阪府立高校と大阪市立高校が対象となっています。ただし、大阪府では、英語科・国際教養科・国際文化科・グローバル科および総合科学科に限って帰国生の入学者選抜が行われますので、志望者には注意が必要です。また、福岡県では帰国生のための〈特別学力検査〉の実施校が20校指定されていますが、日本人学校在籍者は対象外です。
このように、公立高校に限って受験を考える場合、帰国生への優遇措置を期待すると選択肢が限られてしまいます。例えば、日比谷高校(東京)、旭丘高校(愛知)、北野高校(大阪)、修猷館高校(福岡)などの公立の名門校を志望する場合などは、国内の中学生と同じ土俵で入試を受ける必要があります。その場合、内申点などの学校成績も重要な選抜要素となる場合がありますので、場合によっては中学1年生から学校での成績を気にしておく必要があります。
帰国生入試を実施している主な公立高校
都道府県 | 高校名 | 学科(コース) |
東京都 | 都立竹早高校 | 普通科 |
都立三田高校 | 普通科 |
都立国際高校 | 国際学科 |
都立日野台高校 | 普通科 |
神奈川県 | 県立横浜国際高校 | 単位制国際情報科 |
県立神奈川総合高校 | 単位制普通科(国際文化コース) |
県立弥栄高校 | 単位制国際科 |
横浜市立東高校 | 単位制普通科 |
千葉県 | 県立幕張総合高校 | 普通科 |
県立船橋高校 | 普通科 |
県立成田国際高校 | 普通科・国際科 |
千葉市立稲毛高校 | 普通科・国際教養科 |
愛知県 | 県立千種高校 | 国際教養科 |
県立豊田西高校 | 普通科 |
県立豊橋東高校 | 普通科 |
県立刈谷北高校 | 普通科 |
名古屋市立名東高校 | 国際英語科 |
京都県 | 府立鳥羽高校 | 普通科(スポーツ総合専攻を除く) |
府立西舞鶴 | 普通科 |
大阪県 | 府立住吉高校 | 国際文化科・総合科学科 |
府立千里高校 | 国際文化科・総合科学科 |
府立泉北高校 | 国際文化科・総合科学科 |
府立佐野高校 | 国際教養科 |
府立箕面高校 | 国際教養科 |
大阪市立東高校 | 英語科 |
大阪市立高校 | 英語科 |